チアライトの単4電池駆動

私が現場で使っているチアライトは電池代節約のために単4電池2本で駆動できるように改造してあります。これについてコメントでリクエストを頂いたので解説を載せます。


まずチアライトの電池は単5が3本。これはVfが3.0Vを越えるLEDがあるためです。なので、単4を2本で駆動するためには何らかの方法で昇圧する必要があります。電池の外形については、単5×3本と単4×2本とで太さと長さ共にほぼ一緒なので問題なし。よくできているものです。


まず使用するLEDのVfを確認します。緑色とか青色、そしてそれらをベースに蛍光発色させている白色や桃色なんかは大体3.0〜3.6Vでしょう。これらが今回の対象です。


使用するICはリニアテクノロジーのLTC3202。チャージポンプ型の昇圧ICです。出力電流次第ではありますが入力電圧の1.5倍までを取り出すことができます。これを選んだ理由はただ一つ。秋月電子で売ってたから。2個で300円とお手ごろ価格です。


基本的には何も工夫する必要はなく、データシートのサンプル回路を組み立てるだけです。電流制御と電圧制御の2通りがありますが、単純に光らせるだけなら電流制御の方が部品も少なくて簡単です。こちらで決めるのはLEDに流す電流とICの帰還制御電圧の設定、そしてそれらから計算する抵抗値のみ。


まずはLEDを光らせてみて、所望の明るさを得られる電流値を調べます。もちろんLED自身の規格内で。テスターと可変電源と適当な抵抗器があればOK。固定電源と可変抵抗でもOKです。たとえば高輝度緑色のOSPG5161Aならば、よほど強烈なチアライトにするつもりで無い限りは15mAも流せば十分すぎると思います。この値を基に以後の計算を進めます。ちなみに明るさを得たいのならば、電流値を上げるよりも複数のLEDを搭載してしまった方が良い気がします。その場合の回路も後で載せます。


次にICの設定です。帰還制御電圧を選びます。0.2V設定にしておいた方がよいでしょう。D0端子がHIでD1端子がLOです。そうすると抵抗値は0.2V/15mA=12Ωもしくは15Ω。これで設計終わり。なんて簡単。回路はこうなります。


次は基板作りです。ただ、ここまで書いておいてなんなのですが、正直に言って手削りとか自家エッチングで作るのはちょっと辛いと思います。ICパッケージが0.5mmピッチですので。一応、参考として配置図を載せておきます。私は基板加工機を借りて削ってます。


で、このままだと申し訳ないので代替案を。便利なことに秋月電子で基板実装品が売られています。1個500円です。入出力と昇圧用のコンデンサ実装済み、他の設定端子等はそのまま引き出されているようです。上述の回路をそのまま構成できるでしょう。大きさは10mm角。たぶんチアライトのケースにも入ります。入らなかったらケースの内側を少し削りましょう。


チアライトへの組み込みイメージはこんな感じです。



最後に注意点。高輝度LEDは狭指向角で数cdの品が売られてますが、こいつらを直に見ると危険です。ちょっとしたレーザーと大差無いくらいに眼が痛いです。チアライトとして組み上げる際にも人に向いた時のことを良く考えましょう。


そしていつものことですが、この記事を参考に工作をされた結果生じたトラブルについての責任は負いかねます。ただ、掲載品に関しての質問や改善アドバイスなんかは歓迎します。


では、楽しい工作を。